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アトピーがぐんぐん良くなる本

アトピーの権威、丹羽靭負先生の著書から、科学的にアトピーに対処するための情報を一部ご紹介します。

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アトピー患者の皮膚は保湿機能が低下している

アトピー体質の人の大切な特徴の一つに、乾燥肌があり、これは、皮膚の一番表面にある角層という層の保湿機能が正常の人と比べて、体質的に低下しているからなのです。
詳しく説明しますと、人間の皮膚の水分を外へ蒸発して逃さないように皮膚の湿度を保ってくれるのです。
これを角層の保湿機能と呼びます。
何度も申しますように、アトピー体質の人は“Xevosis(乾皮症)”といって、この角層の保湿機能が弱く、角層の下の方の皮膚の水分が角層を通って上へ逃げ出してしまうのです。
ですから、アトピーの人は、乾燥肌をしており、アトピー性皮膚炎が悪化しますと、ますますこの乾燥肌が増悪していきます。

この角層の保湿機能を科学的に数字に表し、測定できる面白い方法を紹介します。
図5に図示して解説しましたが、この実験方法で、アトピー体質の人の角層を特殊な機械を使って薄く剥がし、角層の部分だけを取って、ガラス版・濾紙の上に乗せ、両端をテープで密着させて測定しますと、濾紙の水分がどんどん失われますが、正常な健康人の角層を持って来て、測定実験してみますと、水分はなかなか逃げ出しません。
この現象は、アトピーの皮膚炎の部分の角層を剥がそうと、皮膚炎を起こしていない正常皮膚を取って来ようと、アトピー体質の人であれば、同じ現象(保湿機能の低下)がみられます。

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また過酸化脂質は、角層の保湿機能の実験で興味深い反応を示します。
正常人の角層を剥がして、ガラス版・濾紙の上に置き、両端をテープで密着した後、最上層の正常人皮膚の上に、エーテルやアルデハイド、さらに、過酸化脂質を数滴落としますと、保湿機能の強力であった正常人の角層が障害を受け、保湿機能が低下し、水分が上へ逃げていき始めるるのです(文献、英文K.HashimotoーKumasaka参照)。

以上の説明から、皮膚の構造や角層の保湿機能について充分ご理解いただけたと思いますが、過酸化脂質は、このように、正常な角層の保湿機能を破壊してこれを奪ってしまうのです。
ですから、環境汚染で続々と発生する活性酸素が、身体の脂と結合し、過酸化脂質を形成しますと、この大量にできてしまった過酸化脂質が、元来保湿機能が低く、乾燥肌のために、皮膚炎を起こしているアトピー性皮膚炎患者の角層に付着して、いっそうの保湿機能を奪い、低下させるという悪循環が生まれ、どんどんアトピー性皮膚炎を悪化させていっていると理解されるのです。

こうして昔は小学校へ行くまでには、自然治癒力で角層の保湿機能が快復いてアトピーも消失していたものが、このように環境汚染で過酸化脂質がどんどん作られ、それが患者の皮膚に付着するため、小学校へ行く頃になっても、どんどん患者の保湿機能を奪うため、学童期にアトピーが治るどころか、ますますアトピーを悪化させいくものと考えられるのです。
例えば、2歳の子供と20歳の青年では環境汚染にさらされる期間が18年違い、その分だけ20歳の青年は皮膚炎が悪化します。
したがって、小児よりも成人に重症のアトピー性皮膚炎が続出してきた事実は、環境汚染の観点から考えると、よく理解できることです。

2007年09月17日 13:24